お久しぶりです、シーラカンスです。
前回までの記事で、「仕事を辞めたい」とお伝えしていましたが・・・。
ついに会社に退職願を提出し、今日、退職日が正式に決まりました。
退職を願い出てから半月近く、かなりの引き留めがありましたが・・・。
私の意思は変わりませんでした。
退職が確定したことが嬉しく、今は穏やかな気持ちです。
今日は退職について書いてみようと思います。
■2024年問題の関係で仕事がハードに・・・
今、私が働いている物流・運送業界では「2024年問題」のために激震が走っています。私たちトラック運転手の残業時間に規制が新たにかかるため、様々な問題が起きているのです。
・運転手が現状でも足りない
・荷物は増えていく一方
・新たに運転手になりたがる人も少ない
・残業で稼げないから給料が下がる
・業務中にやらなくてはいけないこと、運ばなくてはいけないものは増える
・「やってられない」「生活できない」と現役ドライバーが辞めていく
・人手不足がさらに深刻になる
・・・こうなると、荷主さんや運送会社が取れる方法は一つしかありません。
「今いる運転手をこき使う」
これしかないのです。
私の場合も全く同じで、残業時間の削減(=早く車庫に帰ってこい、という圧力があります)を求められ、荷物量もどんどん増えました。
さらに今後は集荷に行かなくてはいけない工場の件数が増える、という話も持ち上がりました。
ちなみにこれは定時の業務時間中のことであり、単に「やるべきことが増えただけ」ですので、運転手的には1円にもなりません・・・・。
その一方で、
・時間に間に合わなければクレームが来ます。
・時間が足りずに製品の空箱回収ができなかった場合も会社に電話がいきます。
・荷物を破損させれば、警察もびっくりの現場検証が始まります。
・物流センターに出入りするすべての運送会社に「事故速報」が回覧されます。
・無事故手当が削られ、賞与も減ります。
・「時間がない」「荷物が多い」は理由にならず、すべて「運転手個人の責任」です。
・上司は荷主さんの方しか見ておらず、部下である乗務員を守る気はありません。
・しかも給料が下がります。
・私の場合、手取りで20万円を割る可能性が出てきました。(※12時間勤務です)
・輸送に必要なパレットも足りません。かき集めて、何とか輸送しています。
・・・というように、「給料に対して責任が重すぎる」のが、とても辛く感じたのです。
以前は、もっと気楽で楽しい乗務だったのに・・・。
特に私が辛かったのは「パレットの不足」でした。
(=「仕事に絶対に必要な資材が慢性的に足りてない」ということです)
パレットというのは、荷物を載せる「すのこ」のようなものです。
これに荷物を積んで梱包用ラップを巻くことで、フォークリフトで載せ卸しができるようになります。
本来、このパレットというのは「必要物資」であり、運転手がかき集めて何とかするようなものではありません。荷主さんなり、運送会社なりが十分な量を用意しておく性質のものです。
しかし、現実にパレットは足りません。時間的な猶予もありません。
今日この日に集荷先の工場に供給できなければ、次の日の輸送が危なくなります。
製品を載せるパレットがないと、出荷準備ができないからです。
そのため、「パレットが用意できなかった」は、決して許されないのです・・・。
会社に助けを求めたとしても、パレットが手配されるのは数日後です。
今まさに足りてないのに・・・。こうなればもう、自分で何とかするしかありませんでした。
もし集荷先にパレットを用意して納めることが出来なかったら・・・。
最悪、配達が止まります。他の便の輸送や、他の工場のラインも止まります。
何とかなったとしても、配達時間は大きく遅れてしまいます。
そのため、「絶対にパレットをかき集めないといけない」というプレッシャーは大変なものでした。
日曜の夜など、あまりのプレッシャーで(月曜日の朝にパレットをかき集めて用意できなければ、翌朝の配達が止まるかもしれないのです・・・)眠れないほどでした。
また、自分が有休を取るとパレットの供給が危なくなるため、最近では有休を全く取れなくなってしまいました。何があっても出勤しなくてはいけないのです。
「絶対に休めない、有休を取れない」・・・この絶望感も相当なものでした。
「会社のお金を横領した経理担当者が、事件の発覚を恐れて絶対に休めなくなる」・・・のと似たような感じでしょうか? 非常に悪い例えですが、絶望感という点では近いかもしれませんね。
最後に有休を取ったのっていつだっけ?
半年前とかだった気がします。「休む」という選択肢が選べないのです。
それに加え、集荷のタイムリミットがとても厳しい工場が1社あります。
朝7時から入場して積み始め、8時ジャストには立ち去らないといけないのです。
「タイムリミットまであと2分」・・・とかを毎日やっているのです。
もう、疲れました・・・。
これだけ頑張って、まだ仕事を増やすの・・・? と。
一つ一つは小さいことですが、それらが積もり積もって、ついに私は折れてしまったのです。
■精神的に参っていたようです
ここ最近、仕事のことで悩むことが増えて、同僚と雑談することもなくなりました。
あまりのプレッシャー、タイムリミットへの焦り・・・。
しゃべる気力もありませんでした。ブログの執筆もできなくなってしまいました。
上司にも相談できませんでした。「使えない」と思われたくなくて。そもそも相談したとしても「まあまあ・・・」と流されるだけです。
食事も適当になりました。夕飯を即席めんだけで済ませたり・・・。
また、良くも悪くもトラックの運転手というのは「1人でやる仕事」であり、メンタルが落ちると、どこまでも落ちてしまいます・・・・1人で考えすぎるからですね。
そんな状況ですから、悪い方、悪い方・・・へと考えが行ってしまうのですね。
「トラックで会社の本社社屋に突っ込んでやろうか」
「いま急ハンドルを切って、事故で死ねたら楽になれるかな、休めるかな」
「ベランダ(※4階です)から飛べば仕事に行かなくて良くなるのかな」
・・・はっきり言って、普通の精神状態ではありませんでした。
ある日、夕飯の醤油ラーメンを作っていたところ、なぜか涙が止まらなくなってしまいました。それを見た家族が私の両肩をつかんで、目を見て言いました。
「もう無理だよ、シーラカンス」
「変なこと考えてるでしょ、昔の私と同じ目をしてる」
「もう、仕事辞めよう?」
それがきっかけで、退職願を出しました。
■引き止めがものすごい
退職を決意し、直属の上司に退職願を提出したところ、1時間近く話を聞いてくれました。本来は「もう決めたことなんで」とだけ言って帰ろうと思ったのですが・・・。
結局、「何が辛いのか」「何に困ってるのか」を話しました。
上司が言うには、
・「そんなメチャクチャな状況になっているとは知らなかった」
・「パレットやタイムリミットは君の責任ではない、私たちの責任だから大丈夫」
・「荷主と相談して改善する」
・「責任を背負いすぎ、なぜ相談してくれなかったんだ」
・「とりあえず有休は取ろう、調整するから」
・「自己評価が低すぎる、周りからの評判はかなりいいのに」
・「11月中旬に集荷スケジュールが変わる、やるだけやってみて、気が変わらないならもう一回退職願を出してほしい」
とのことで、かなり引き止めてくれましたが、一応、退職願は受け取ってくれました。実際に、次の日以降から多少仕事が楽になるように取り計らってくれたようです。
ただ、私からすると、
「退職願を出されて慌てて対策してる」
としか思えず、複雑な心境でした・・・。それでも、上司に現状をすべて話したことで多少楽にはなれました。
■結局、退職することにしました
上司も同僚も、私が退職願を出したことで色々気にかけてくれました。
職場での人間関係は良かったため少し揺らぎましたが、結局会社に残ったところで
「一度は会社を辞めようとした人」ですから出世はもう見込めません。
それに、「上司に退職願を提出する」というところまで追い詰められていたわけですから、仕事を続けるのは現実的に厳しいでしょう。
正直なところ、もうトラックには乗務したくありません。
トラックの運転は大好きですが、もう、仕事としては乗りたくない・・・。
残念ですが、トラック運転手以外の職種を探そうと思います。
次に勤める会社はまだ決まっていません。
私を求めて雇ってくれる会社があるのか、正直不安であります。
それでも今は、「退職が決まった安堵感」のほうが勝っています。
退職日は12月末に決まりました。
有休が24日近く溜まっているため、11月末まで出勤すればいいそうです。
最後まできっちり働いて、きれいに引継ぎを済ませたいと思っています。
・・・以上、ブログの更新が止まっていた間に私の周りで起きたドタバタでした。
非常に個人的な話で申し訳ありません。でも、どこかに書き残したかったのです。
次は投資について書けたらと思います。
ところで、以前に買い入れた福井県のスーパー「PLANT」の株価が知らないうちに2倍近くに上がっており、ビックリしています。
私が買ったときは704円だったのに。
みんな、やっとこの会社の良さに気が付いたのですね。
もちろん嬉しいは嬉しいですが、手放さずに持ち続けるつもりです。
次の記事では明るい話をお伝えしたいですね。