仕事が決まりました

 お久しぶりです、シーラカンスです。

 

 去年の年末でトラックの運転手を辞め、2か月ほど無職の状態にありましたが、先月から新しい会社で働いています。

 

 「トラックの運転手」はもうやりたくない。

 

 でも「運転の仕事」は好きだから続けたい・・・。

 

 ということから、タクシー会社に転職しました。転職して1か月、ようやく少し落ち着いてきたので、久しぶりに記事を書きます。

 

 ※私は地方都市のタクシー会社(自分が住んでいる街の会社)に入社しましたので、東京や大阪の運転手さんとは少し事情が違うかもしれません。

やっぱり「運転手」として働き続けたくて・・・出典:いらすとや様

ハローワークに行ってみました

 前職を辞めて1か月ほどすると、「次の仕事を探そう」と思える程度には気力が回復しました。そのためまずは、ハローワークに話を聞きに行きました。

 

 ハローワークの人が言うには・・・。

 

・多分市内どのタクシー会社に行っても採用されると思う

・バス会社でもいいと思う(せっかく大型二種免許を持ってるなら)

・今日、ちょうど近くで転職説明会があり、市内最大手のタクシー会社も来ている

・今から話だけでも聞いてきたら?

 

 ・・・とのことでした。

 

 なんだか「あ、私を求めてくれる会社ってあるんだ」とちょっと気が楽になりました。一人だとついつい悪い方へ、悪い方へ・・・と思い詰めてしまいますから。

 

 人に相談するって大事ですね。

 

 早速、ハローワークのすぐ近くで開催されていた転職説明会に立ち寄り、市内で一番大きなタクシー会社(電鉄系)の説明を聞いてみました。

 

 いろいろ聞いてみましたが・・・。

 

 結論としては「あ、ここはないな」となりました。

 

 あまりにも社員側(応募者側)の条件・待遇が不利すぎると感じたのです。

 

 なんと言いますか「別に人はたくさん入ってくるし」「うちは電鉄系だから」という驕りを感じ取りました。

ちょっと殿様商売なんじゃないの?・・・出典:いらすとや様

・歩率(売り上げの何%、という形で給料が決まります)が他社より低い。

・同じグループ内のバス会社への出向の可能性が否定できない。

・地元の人からの評判が悪い(電話してもつながらない、すぐ来てくれない)。

・入社後半年以上は「準社員」であり不安(いつ切られてもおかしくない)。

・制服がちょっと個性的すぎる(学ランみたいなジャケット)。

・担当者がいい事しか言っていない。

・聞いた限り、どうも「自由度」が少ない。

・「数多くいる運転手のひとり」「組織の歯車」になりそう。前職と同じ・・・。

 

 

 地元の電鉄系のタクシー会社であり、安定はしているのですが・・・。残念です。

 

■別のタクシー会社の説明会に行きました

 市内最大手の会社が自分には合わないと分かり、別の会社の説明会に行きました。

 

 市内で2番目に大きなタクシー会社で、自宅から最も近い会社でもあります。

 

 

 

 「説明会」というくらいだから、会議室でやるのかな? 

 

 と思っていましたが・・・。

 

 事務所の応接室に通されました。

 

 事務所内は正直「昭和っぽいな・・・」(ちょっとボロい)と感じましたが、その代わり新型車や自動配車システムなど「本業にしっかり投資している」のは好印象でした。

新型車(ジャパンタクシー)の例・・・出典:日本交通様

 また、この会社の場合はちゃんと「悪いこと」「デメリット」も隠さずに話してくれました。あと、いい意味での「ゆるさ」がある会社だと感じました。

 

 1時間くらい、いろいろ質問したり話を聞いたりしていました。

 

 そして、なぜかその場で採用が決まりました。

 

 

 

 しかも、最初から「正社員」としての採用です。安心して働けます。

 

 まさかその場で採用が決まるとは思っていませんでした。

 

 後日、会社指定の病院で健診を受け、次の週から勤務が始まりました。

 

■2週間の教育期間がありました

 採用されてから2週間は「教育期間」ということで、先輩と一緒に市内のあらゆる道を走ります。

教習みたいなイメージです・・・出典:いらすとや様

 工場や病院、駅、ホテルなどといった「よく指定されるスポット」を回り、道順や待機ルールを覚えていくのです。

 

 タクシー運転手がよく使う抜け道も教わります。特に、

 

・「この方面に行くならこの道が最短」

・「この時間帯は混むからこの道は通ってはいけない、この抜け道を使うべし」

 

 といういわゆる「タクシールート」(タクシードライバーなら絶対に知っておくべき抜け道)は特に何度も走り、念入りに覚えました。

 

 ただ、私・シーラカンスの場合は元々この街の出身ではないため「〇〇街道」「〇〇通り」などの道の名前や、「〇〇工場の跡地」「元の〇〇ホテル」などといった、地元の人でないと分からない表現に苦労しました。

 

 「地元出身」じゃないからこその難しさですね。

 

 また並行して、県タクシー協会の研修会にも2日間行きました。これを修了することで、「乗務員証」(これがないと営業できません)をもらえます。

 

 最近は顔写真や名前が見えないデザインのものに変わっているようです。

助手席に掲げているアレです・・・出典:守山タクシー様

 

 これ以外にも、覚えることはたくさんあります。

 

・洗車機の使い方

・車両点検の方法

・市内3か所のLPガススタンドの場所とルール(鍵を抜いて係の人に渡す)

・両替機と納金機(売上金を入金する機械、ATMみたいなもの)の操作方法

 

・オイルや冷却水の保管場所

・事故時の対処法

・タクシーメーターとスーパーサイン(空車とか表示されるアレ)の操作

タクシーメーター 出典:未来都様

スーパーサイン(タクシーの状態を外に表示します)・・・出典:Carview

・配車システム(ナビと無線機機能が一体になっている)の操作方法

・強盗に遭った時の対処法(無線室に緊急を知らせる、秘密のスイッチがあります)

 

・タクシーチケットや福祉券の記入方法

タクシーチケットの例 出典:国際自動車株式会社様

福祉券の例 出典:西東京市

・障害者割引や免許返納割引(1割引)、早朝予約料金(+300円)加算の方法

・市内各地のおすすめのトイレスポット(駐車場のある公園など)

・時間帯別、曜日別のおすすめの営業方法

・寝てしまった(酔っぱらいの)お客様の起こし方

 

 いろいろ覚えることが多く、勤務が終わるころには毎回頭痛がしていました。

 

 家に帰ってからも道路地図にその日通った道をマジックで書き込み、勉強する日々・・・。

忘れないうちに書き残さなきゃ・・・出典:いらすとや様

 なんというか、学生時代よりも勉強しているかもしれません。

 

 新しい職業に就き、仕事を覚えるのって、かなりの努力が必要なんだな・・・と痛感しています。

 

 ただタクシードライバーの場合、道を覚えれば覚えるほど楽になりますし、自分の脳内に知識として積み上がっていきます。

 

 効率よく走れれば配車依頼(いわゆる「無線」です)を取れる件数も上がり、給料も上がります。努力がダイレクトに月給に反映されるのはいいですね。

 

■担当車輛が決まりました

 そんなこんなで2週間の教育期間が終わり、自分の担当車輛が決まりました。

 

 私の会社の場合、日勤の人と夜勤の人が相番(あいばん、ペアですね)を組み、1台のタクシーを2人で使います。ただ私に用意された車両はもともと空き車輛であり、相番がいません。

 

 幸運にも、自分専用の車輛で一人立ちできることになりました。

 

 車種は「トヨタ・コンフォート」。タクシーや教習車でよく使われている車です。

 

タクシーでおなじみの車種です・・・出典:みんカラ

 上司からは「もともと載っている私物は処分していい」「乗務しやすいように色々いじっていい」と言ってもらえたので、少しずつ自分好みにしていきました。

 

・ペンホルダーとチケットホルダーの取り付け。

小さなことですが、非常に便利になりました




・ドリンクホルダー取り付けと、USBソケットの新調。

 

勤務中に堂々とタクシーでオートバックスへ・・・。多分私が初めて?

・シフトレバー横にちょっとしたポケット取り付け(小さな電卓を入れています)。

・カーナビ用タブレットのケーブルを新品に交換。

・AMラジオの周波数設定(悪天候時に役立ちます)。

・速度計の横に電波時計取り付け(時計が付いていないのです)。

・決済端末とレシート発行機用のレシートロールの補充。

 

・ごちゃついていた配線類の引き直し(配線用フックで美しく)

カルトン(釣銭受け)の新調と加工(センターコンソールから落ちないように)

・市内観光ブックと市内道路地図をシフトレバー横に配置。

・タイヤワックス施工。

・後部ドア開閉レバー(実は手動です)の長さの調整。

運転席右側にあります(上げると後左ドアが開きます)

 車内を掃除しながら、ちょっとずつカスタムしていきました。初期状態よりかなり仕事がしやすくなり、満足しています。

 

■「自分で決められる」ことがとにかく嬉しいです

 今のタクシー会社に転職し、早くも1か月ほど経ちました。

 

 なかなか売り上げを上げるのは難しいですが、それでも何とか働けています。

 

 もちろん仕事ですから、多少は辛いことや嫌なことはあります。

 

 それでも、前職よりもプレッシャーは軽減されましたし、上司や同僚もまともな人たちで人間関係も楽になりました。

 

 あと、お客様も優しい人が多いですね。正直、意外でした。

 

 

 

 「給料は自分の売り上げ次第」という厳しい世界ではありますが、自分の中の納得感はあります。

 

 「給料が減って困るのは自分」という考え方の業界であります。

 

 休みを取るのも、休日出勤をするのも自由です。

 

 休みたいときは、その前日に内勤の人に伝えれば、すんなり休めます。下手すると、バイトのシフト申請よりもゆるいかもしれません。

 

 逆に、同じ車輛に乗務するペアの人に迷惑を掛けない限り、労働基準法に抵触しない限り、早出も残業も自由です。

 

 

 

 また、営業区域内であれば、どのエリアで営業しても自由です。

 

 会社周辺でまったり営業してもいいですし、病院で待機するのも良い。

 

 あえて自分が知らない地区に果敢に挑戦するのも勉強になります。

 

 「〇〇円売り上げを上げるまで粘る」「今日はさっさと帰る」というのも自由です。

 

 「自分で決めていい」ということが、こんなにも嬉しいなんて。

 

 

 

 ところで、私・シーラカンスは「組織」とか「集団行動」、「団体競技」といったものが非常に苦手です。

 

 自分の責任でバリバリ働きたい、外野にワーワー言われたくない、仕事はちゃんとするから放っておいてほしい・・・という、なかなか生きにくい性格をしています。もちろん、口には出しませんが。

 

 そんな私にとっては適した職業かもしれません。

 

 前職と違い、仕事に行くのが嫌ではなくなりましたし、以前より眠れるようになりました。

 

 前職のころは、「絶対に寝過ごせない(深夜2時30分起床)」「明日の荷物や資材どうしよう」・・・といったプレッシャーで眠れず、また何回も「は、遅刻か⁉」と飛び起き・・・。典型的な不眠症でした。

 

 転職してからは常識的な時間に起きて働けるようになったため、しっかり眠れるようになりました。

 

 以前より給料は落ちるでしょうが、精神的にかなり楽になりました。

 

 

熟睡できるようになりました 出典:いらすとや様

■点と点がつながってきた感じがします

 最近、少しずつですが、脳内で道と道がつながるようになってきました。そのためお客様に、

 

・「少し大回りですがこの抜け道を行けば早く着きます、いかがですか?」

・「〇〇街道と〇〇通り、どちらから行きますか?」

・「あの交差点で渋滞するので、一本隣の道から行ってもよろしいですか?」

 

 などと、簡単なルートであれば「タクシー運転手っぽい提案」が出来るようになってきました。

 

 こういう時、自分自身で「あ、今すごくタクシードライバーっぽい!!」と喜びを感じます。

顔には出しませんが実は嬉しい・・・出典:いらすとや様

 

 

 当分の間は売り上げがあまり上がらず、給料面では厳しい戦いが続くでしょう。

 

 それでも今は、仕事を覚えるとき。勉強の時。 

 

 コツコツと、新しい職場で頑張ります。