自分への戒め・・・その資格、元を取れますか

 こんにちは、シーラカンスです。

 

 先月、簿記3級を受験しました。

 

 これは新年の目標である

 

 「お金の資格を何か取得する」

 

 というところから受験を決意したもので、勉強期間が2か月もないような強行スケジュールで受けました。

日がないため必死でした・・・出典:いらすとや様



 「机に向かって電卓を叩き、複雑な条件を整理する」必要があるため、勉強時間を確保するのが非常に困難でした・・・「すき間時間にサクッと」が出来ないからです。ガッツリ机に向かう必要があるのです。

 

 個人的な感触として「多分合格してるだろう」と思うために不安は感じていませんが・・・。

 

 今回の簿記3級の資格取得で、色々と考えることがありました。

わりと特殊な悩みだと思う・・・出典:いらすとや様

 今回は「資格取得も一種の投資」「時間を投資するという意識」についてです。

 

■「仕事に役に立つか」という視点は大事

 

 これを言ってはおしまいですが・・・。

 

 「資格を取って、私の人生の役に立つの?」

 

 と思ってしまったのです。

 

 資格取得自体は「素晴らしいこと」でありますが、

 

・私が取ろうとしている資格

・私が働いている職種や業種

 

 にかなりのズレがあるため、

 

 「これってただの自己満足じゃね?」

 

 と感じてしまったわけですね。

今後の人生を考えがち・・・出典:いらすとや様



 今回受けた「簿記3級」であれば、仕事の役に立つでしょう。

 

 簿記を使わない会社などあり得ませんし、私の勤務先にももちろん「総務部」「経理係」は存在するからです。

 

 また勤務先が「運送会社」ということから簿記の資格を持つ人は少なく、希少価値もあるからです。

 

 もし私が運転手から「運行管理」「総務部」などの内勤に異動したいと思った時、「簿記3級を持っている」ということは多少なりとも有利に働くでしょう。

 

 逆に「大型免許」は整備工場と事務系の社員を除き、ほぼ全員が取得しています。

 

 (免許がなければトラックに乗れませんから、ある意味当然のことです)

大型免許はそもそも「入社資格」・・・出典:いらすとや様



 また「運行管理者」も、ある程度勤続年数のある運転手なら大体取得しています。

 

 私の会社で言えば、大型免許などは「希少価値は全くない」というわけですね。

 

 「社内での希少価値」という点で、簿記は意味があると思います。

 

 ただそれでも、今の私の仕事(運転手)には直接関係ない資格ですし、次に取ろうと思っていた「FP3級」はそもそも仕事とは全く関係ありません。

 

 トラックの運転手に対し、業務中に相続の相談をしてくる人などいないでしょう。

そんな状況、逆に見てみたい・・・出典:いらすとや様

 「仕事では必要ない」という意味では、完全に「趣味」です。

 

 そう思い至った時に、ふと考えてしまったのです。

 

・「時間と労力を投下してまで取得する意味はあるのか?」

・「給料や手当という形で費用を回収できるのか?」

・「他の資格ではダメなのか?」

・「回収できないなら投資ではなく、ただの『浪費』ではないか?」

・「私はただ、『学生時代の受験の成功』を再現したいだけじゃないのか?」

・「ただチヤホヤされたいだけではないのか?」

・「私は『合格証書』というトロフィーが欲しいだけではないか?」

・「それってただの『物欲』と何が違うのか?」

ただ欲しいだけではないか?・・・出典:いらすとや様



 ・・・趣味に関する資格を取るのはいいことです。教養として、役に立ちます。

 

 また「勉強したい」「知りたい」というのは人間の本能であります。

 

 ただ「どうしても今、急いでやるべきことなのか?」と疑問を持ったのです。

 

 「自分がこの資格を取得したい」ではなく「受験日程」に振り回され、資格取得を焦ってはいないか?・・・と。

 

 「そんなんで、本当に身になるの?」と。

 

 「やたらに資格を取ろうとするのが、本当に良いことなのか?」と。

 

 ちょっと、分からなくなってきたのです。

 

■資格取得も一種の投資・・・大型免許の場合

 

 私は、資格取得に励み、自己研鑽を怠らない人は素敵だと思います。

 

 私自身も、「年に1つは資格を取得しよう」と決め、実行してきました。

 

 ただ私の場合は、「仕事で使う資格」をある程度取得してしまったため、

 

・「これを取らないと仕事に就けない」

・「これを取ったら給料が上がる」

 

 というものがあまり残っていないのです。

 

 もう、必要な資格は既に取れました。

 

 私・シーラカンスの場合、一番役に立ったのは「運転免許」でした。

どの資格よりも汎用性が高い・・・出典:いらすとや様



 正直なところ、これ以上に役に立つ資格が思いつかないのです・・・。

 

 それだけに

 

・「さらに何か他の資格を取る意味ってあるのか?」

・「もう十分じゃない?」

・「手を広げるより、今持ってる資格を深掘りしたほうが良くない?」

 

 と迷うわけです。

 

 私は、「大型免許」で人生を変えることが出来ました。

 

 かなりの費用が掛かりましたが、それだけの価値はありました。

 

 私の場合は、

 

・原付免許

・普通免許

・中型一種免許

・大型一種免許

・大型二種免許

 

 の順で取得しました。

 

 全部で110万円くらいかかったことになります。

 

 もちろんこれは一気にではなく、何年もかけて取得しましたのでそれほど負担には感じませんでしたが、それでも私としては

 

 「巨額の投資」

 

 でありました。

 

 さらに、

 

・「自動車学校に2か月間通い続ける」

・「免許センターに行くために仕事を休む」

・「仕事終わりで疲れていても教習に行く」

 

 などの「労力」「時間」も投下しています。

 

 最後に取得した大型二種については「仕事で必要」というわけではなく、

 

・「若いうちに最難関の免許を取ってしまいたい」(歳を取ると辛いらしい)

切り返し3回以内で通過するのです・・・出典:沼田自動車学校様

バックでS字クランクを通る試験も・・・出典:那須自動車学校様

バス停と後ろドアを前後1m以内で合わせて停車する試験も
・・・出典:ロイヤルドライビングスクール様

・「運転技能がそれなりにあると証明したい」

・「単純に運転手としての『技術的興味』」(バスを運転してみたかった)

・「転職などのチャンスが来たら応じられるようにしておきたい」

・「定年後に送迎バスのバイトの職を得られるようにしておきたい」

 という

 

 「今後の人生の保険」

 

 という意味で取得しました。

 

 「路線バスでそれやるの!?」

 

 という衝撃的な教習科目ばかりでしたが、技能向上には役に立ちました。

 

 私の会社にはバスは1台もないため仕事の役には立ちませんが、個人的には「取ってよかった」と考えています・・・「希少価値」があるからです。

 

 大型二種取得者は、運転免許を持つ人全体の1%しかいないそうです。

 

 つまり「100人に1人の技能者」である証明にもなります。

 

 今後の人生を考えたときにも、

 

・バス会社などの「免許がないと働けない」会社に応募できること

 

・定年後、比較的身体にやさしい「運転」の仕事を得やすくなること

 

・定年後、現役時代と近い職種でパートが出来ること(経験が生かせる)

定年後に働くときに役立ちます・・・出典:いらすとや様

 ・・・という意味で、非常に意味のある資格取得だったと思います。

 

■その資格取得は投資? 浪費?・・・元を取れますか

 もちろん、「投資資本を回収できるか?」という点もクリアしています。

 

 私・シーラカンスは運転手の仕事を始めてから5年以上経ちます。

 

 その前は工場の派遣社員をしていました。

 

 派遣社員から運送会社の正社員に転職し、年収は100万円近くアップしました。

やったー!! 出典:いらすとや様



 単純計算で、5年間で500万円多く稼げたことになります。

 

 仕事に必要な免許は「大型一種」までであり、先ほどの110万円から大型二種免許(約35万円)を引くと、

 

 「75万円の投資で今の職に応募する権利を得た」

 

 ことになります。

 

 500÷75=6.66

 

 今の時点で、免許取得費用を回収したうえで、さらに5倍以上の利益を得ていることになります。連続増配株もびっくりの利益率です。

 

 もちろん、「生涯賃金」もかなり向上しました。

 

 仮に40年間働いたとして、年収が100万円向上したなら4000万円多く得られることになります。

 

 これを投資として考えると、衝撃の利益となります。

 

 4000÷75=53.3

 

 投資利回りで考えると、5333%。

 

 元本の53倍もの利益です。

 

 75万円で、4000万円を得る・・・。

 

 猛烈な利回りであります。

衝撃の利回り・・・出典:いらすとや様

 株式などで、50倍以上に株価が上昇することって、そうそう無いと思います。

 

 私にとっては

 

 「一番成功した自己投資」

 

 だといえますね。

 

 さらに、

 

・正社員であれば賞与と昇給があること

派遣社員の場合は昇給は無く、「派遣切り」もあること

・年齢が上がるほどに派遣先から嫌がられること

 

 も考えると、その差額はさらに開いていくでしょう。

 

 ・・・結局のところ、何が言いたいか?

 

 「自己投資」をしたいなら、「資格取得費用の元を取る」という視点は必要、だということです。

 

 私・シーラカンスは「投資家」です。

 

 投資というからには、投資資本を回収しなくてはいけません。

 

 それが出来ないなら「趣味」であります。

 

 もっときつく言うなら「消費」、いや「浪費」でしょう。

 

 それを理解したうえで、

 

 「仕事の役には立たないけど、それでも私はやりたいんだ!!」

 

 という情熱があるなら大いに資格取得に突き進むべきですが、

 

・「なんか取得するといいらしいし・・・」

・「みんな取ってるし・・・」

・「何かの役に立つかもしれないし・・・」

・「学生時代の受験の成功を再現したいだけ」

・「『合格した自分』が欲しいだけ」

・「合格証書が欲しいだけ」

 

 というフワッとした動機であれば、

 

 一度取得を考え直したほうが良い

 

 かもしれない、ということです。

よく考えてから決めよう・・・出典:いらすとや様

 もっと他にやるべきこと、取るべき資格があるかもしれません。

 

 私・シーラカンスがFP3級を取ろうと思ったのもまさにそれでした。

 

 この記事で色々書いていますが、私は「資格取得に励む人」を批判したいわけではありません。

 

 「合格証書が欲しいだけの自分」を戒めるために、書いているのです。

 

 

■私の資格取得はただの「物欲」かもしれません

 

 私がFPを取ろうと思ったのも、ただ単に、

 

 「株のブログを書いているから」

 

 というだけの理由で勝手に盛り上がって、

 

 「『FP』というカッコイイ称号が欲しかっただけ」

 

 だったのですね。

 

 もっと言えば、「合格した自分」が欲しかったんですね。

 

 オモチャ欲しさにマクドナルドのハッピーセットをねだる子供のような・・・。

 

 浅ましい、しょうもない欲望であります。

 

 本気で仕事のためにFPを取ろうとしている人にも失礼というものでしょう。

 

 ・・・これって、「物欲」と何が違うんでしょうね???

 

 そう考えると、何だか、急に冷めてしまって。

 

なんかもう、分からなくなってきた・・・出典:いらすとや様

 

 一方で、運転免許の例では既に十分元を取ったうえで、さらに利益が出ています。

 

 勤続年数を重ねるほどに、どんどん利益は積みあがっていくでしょう。

 

 その収入アップ分を無駄遣いせずに投資に回したら、さらに増えることでしょう。

 

 そう考えると、運転免許を取得するために

 

・「時間」

・「労力」

・「月給数か月分の取得費用」

 

 を投じた価値は十分にあったといえますね。

 

■「時間」も貴重な資源です

 ところで、資格取得はなかなかの大プロジェクトであります。

 

・働きながら、時間を見つけては勉強に励む。

・受験費用や学校の費用を工面する。

・受験日程から勉強スケジュールを組んでいく。

・休日に遊びに行かずに勉強に取り組む。

 

 ・・・これだけの努力を重ねて、

 

 1日12時間もの勤務(私の場合)を終えて家事をこなし、勉強して。

 

 それに見合った対価を得られるような資格って、結構限られると思います。

 

 お金だけでなく、「時間」だって貴重な資源です。

 

 いや、「一度無駄にしたらもう取り戻せない」という点ではお金よりも貴重かもしれません。タイムマシンなど、無いからです。

 

 そう考えると「時間を投資する」ことについて、もっと深く考えてから行動しないといけないな、と思うのです。

 

 少なくとも

 

 「なんとなくフワッとした気持ちで資格取得を目指す」

 

 のは、ちょっと違うと思うのです。もっと深く考えて決めたいと思います。

 

■「合格」はゴールではなくスタートライン

 「資格を取ろう」と思うとき、ついつい「合格」がゴールとなりがちです。

 

 でも、実際には違います。

 

 あくまでも「スタートラインに立てた」に過ぎないのです。

 

・「合格したから、資格保持者と名乗れる」

・「合格したから、念願の職種に応募できる」

・「合格したから、技能を証明できる」

・「合格したから、資格手当をもらって収入が上がる」

 

 ついつい抜け落ちがちな視点ですが、

 

・「その資格を取った後、どうしたいのか」

・「その資格を使って、どう働きたいのか」

・「その資格を取ると、自分にとってどんないいことがあるのか」

 

 というヴィジョンは考えておきたいですね。

 

 資格取得への熱意が復活したら、また何か取得を考えようと思います。