黄金の右腕・・・同僚のアドバイスと労働観

 こんにちは、シーラカンスです。

 

 私・シーラカンスは以前、とあるメーカーのエンジン工場で派遣社員として働いていたことがあります。ふと思い出したことがありますので、お伝えします。

 

 今回は、雑記です。

 

■同僚からのアドバイス

 同じ職場に、ブラジルから来た50代の同僚がいました。

 

 彼と私は同じライン、同じ勤務でした。歳は親子ほど離れていましたが、同じ派遣社員同士ということで、彼と同じ作業になった時は楽しかったのを覚えています。

 

 しばらくして「ブラジルに帰国しなくてはいけない事情が出来た」と退職していきましたが、その当時のアドバイスが忘れられないのです。

 

 彼から言われたのは・・・。

 

 「シーラカンスさんの右腕はお金を稼ぎ出す『黄金の右腕』。大事にしなさい」

 

 当時の私は激しいライン作業で指を痛めており、バレーボール選手のように指にシップとテーピングをガチガチに巻いていました。痛くても働けなければ収入はゼロですから、何とか耐えていたんですね・・・。今思えば辞めればよかったのに。

 

 彼はたぶんそれを見て「無理しすぎるな」と思ったのでしょう。

 

 その当時は「やっぱ痛そうに見えるからかな?」程度に考えていましたが、数年経った今となっては、私の中で重要な指針となっています。

 

 今思うと、

 

・身体は巨額のお金を稼ぎ出す「資本」

・仕事で身体を壊してはいけない

・若くても健康に気を遣え

・交代勤務だからこそ、睡眠をしっかり取りなさい

 

 ということを表現したかったんだと、私は思っています。

 

 また、夜勤のときに(身体が交代勤務に慣れていなくて)ご飯をあまり食べられなかった私を心配してくれたこともありました。良い同僚でした。今どうしてるのかな?

 

 その同僚と再会することはもう無いと思いますが、大事にしている言葉です。

 

■会社に依存しすぎない・・・荒んだ労働観かも?

 その後、私もその工場を退職しました。というかクビになりました。

 

 左手親指にそこそこのケガを負ったからです。

 

 働けない派遣社員など、工場側はいらないのです。

 

 今考えれば「辞めてよかった」と思いますが、当時は絶望しかなかったことを覚えています。転職しようにも、職歴も、経験も、資格もあまりなかったからです。

 

 何よりも、「ケガを負っている」状態の人を雇ってくれる会社があるかどうか。

 

 

 今はいろいろあってトラックの運転手に落ち着きましたが、この経験から私は

 

・「仕事なんかで身体を壊したくない」

・「会社なんて信用ならない」

・「労災は案外もみ消される」

・「口で言うより免許証・合格証の説得力のほうが大きい」

・「自分の身は自分で守る、ヘラヘラ生きてたら破滅する」

 

 など、多くのことを学びました。

 

 私の労働観は、他人からすると結構荒んでいると思います。

 

 でも、それでいいと思っています。

 

 会社に依存し、ヘラヘラと働いているよりはよほど健全だからです。

 

 あなたの職場にもいませんか。

 

・定年まで働けると勝手に思い込んで、ダラダラ働いている人。

 

・次のボーナスが当然入ると思い込んで、金遣いの荒い人。

 

・他社を知らないために、自社の独自ルールを「常識」として言ってくる人。

 

・同じ仕事を定年まで出来ると思って、勉強を一切せず、備えを怠る人。

 

・現状がいつまでも続くと勝手に思い込んで、生活水準を必要以上に上げている人。

 

・狭い社内で威張っちゃう、他社などからの目を気にしない「恥ずかしい」人。

 

・挨拶も返せない、職人気取りのただのアホなおっさん。(人としてどうなの)

 

 これらはすべて、

 

 「今の会社にずっといられること」

 

 が前提であります。解雇された途端に、行き詰まるでしょう。

 

 私からすると

 

・「対策できたことじゃん」

・「いつかは定年が来るなんて、分かってたことじゃん」

・「勉強しなかった自分が悪いだけじゃん」

・「他人に威張り散らした自分が悪い、因果応報」

 

 としか感じません。

 

 会社に収入も、居場所も、自尊心も、全てを依存した「罰」でしょう。

 

 

・「解雇されるかも」という恐怖を感じないって鈍感なの? 

・「解雇された後の生活」を想定・準備したことないの?

・定年後の生活費を備えないの? 不死身なの?

・「今後、同業他社とかにお世話になるかもしれないのに、そんな態度で良いの?」

・いつか身体が動かなくなる日が、働けなくなる日が来るのに、備えないの?

 

 とも思ってしまいます・・・。絶対に職場では言えませんが。

 

 我ながら、「嫌な奴」だと思います。

 

 職場では笑顔を絶やさないように、愛想よくするように心がけていますが、内心はこんなものです。

 

 

 私は会社に、プロとしての仕事を提供します。

 

 会社は私に、それに見合った賃金を用意します。

 

 あくまでも「雇用契約」でしかないのです。

 

 幸い私はトラックの運転手という「資格を要する職業」で働いています。

 

 人手不足も深刻であり、他社への転職だって容易です。

 

 今の私は「要大型免許」という参入障壁を突破できますし、「実務経験ありの現役運転手」という肩書も使えます。「今の会社に無理にしがみつかなくてもいい」という状況であり、ある意味気楽であります。

 

 もちろん、できるなら定年まで勤め上げたいですが・・・。

 

 ケガや病気を負ってまで、今の会社に固執はしたくありません。

 

 私は会社に「働きがい」「アットホーム」など期待していません。

 

 贅沢も望みません。ただ常識的な賃金と待遇だけを求めます。

 

 同僚と雑談をしたいわけでもありません。友達を作りたいわけでもありません。

 

 ただ挨拶を普通に返してくれればそれで十分です。

 

 

 

 

 会社としては、私の代わりなどいくらでもいるでしょう。

 

 しかし、「私」個人の代わりは、世界中どこを探してもいないのです。

 

 また、ケガを負っても、機械ではありませんから「部品交換で直る」というわけでもありません。後遺症にずっと苦しむことになります。ケガや病気を負うと、取り返しがつきにくいのですね。

 

 私自身、左手親指は未だに動きが悪く、たまに痛いです・・・。

 

 仕事(会社)と自分を同一視しては危険です。

 

 適度に突き放した距離感を保って働くのが良いと思います。

 

 職場は「職務を全うする場」であり、友達を作る場所ではありません。

 

 仕事はあくまでも「お金のため」にするものです。やりがいやプライドでごまかされてはいけません。「やりがい搾取」に気を付けることです。

 

 「会社に搾取される」のではなく、逆に「会社を利用してやる」くらいの意気で働きたいですね。

 

 そういった視点から考えると、新しいアイディアも湧いてきます。

 

 福利厚生を利用できるかもしれません。

 

 資格取得の補助が出るかもしれません。

 

 車両保険や生命保険に安く加入できるかもしれません。

 

 財形貯蓄でお得に貯金できるかもしれません。

 

 私のように労災で困らないように、ぜひとも自衛しながら・・・。

 

 会社に依存しすぎず、個人的に解雇や老後に備えながら働きましょう。

 

■頭を使うこと

 派遣社員時代の同僚からのアドバイス、もう一つありました。

 

 「頭は、帽子をかぶるためだけにあるんじゃない」

 

 これは、「頭を使いなさい」という文字通りの意味だけでなく、

 

・「考えることはいろいろなことに役に立つ」(頭脳の用途は無限大)

・「せっかく頭がついているんだから使わないと損」

 

 という意味だそうです。

 

 文字にするとかなりキツイことを言っている感じになりますが、実際には優しいトーンで「シーラカンスさんは頭が良い。若いし、色々考えるといい」ということらしいです。

 

 彼は故郷(ブラジル)では自営業をしていたようですから、「経営者」として「考えることの大切さ」を教えたかったのですね。

 

 これも、今でも忘れられないアドバイスですね。

 

 以上、同僚からのアドバイスと仕事への距離感についての雑記でした。