こんにちは、シーラカンスです。
最近は物価高が叫ばれていますが、タバコも結構値上がりしていたのですね。
最近では、「たばこ税を防衛費に充てる」などという報道もあり、話題となっています。今回は、タバコについて書きたいと思います。
■タバコ・・・値上がりしましたね
この20年近くで、タバコは2倍近くまで値上がりしました。
例えば、JTの主力銘柄の一つである「セブンスター」の場合・・・。
・1998年12月:250円
・2003年7月:280円
・2006年7月:300円
・2010年10月:400円
・2021年10月:600円
「セブンスター」だけでなく「マルボロ」も、現在は600円だそうです。
■「時給=タバコ2箱」・・・今やタバコは「高級な嗜好品」
2箱買ったら、1200円です。
これは、工場勤務の派遣社員の時給と同等です。
私自身、あるエンジン工場で派遣社員として働いていたことがあります。
その時の時給は1250円でした。
仕事内容が似ているトヨタの期間工の場合、時給1333円だそうです。
(日給10000円÷7.5時間=1333円)
デンソーもほぼ同額でした。
2000年頃であれば、同じ時給でタバコを5箱買えました。(2000年頃は250円)
この20年でタバコは「安い娯楽」ではなく、「高級な嗜好品」になったのです。
■定食やセットを食べられるほどの金額
「600円」というのは、なかなかの金額です。
例えばすき家の「牛皿定食・並盛」が600円(税込)であり、同額です。
あるいは、マクドナルドであれば、「エグチセット」が520円。
夜マックであれば、「倍スパチキセット」が600円であり、同額です。
■実は私も「元喫煙者」です
1日1箱吸うとしたら、1か月で1万8000円必要です。
「日給2日分」に近い金額が、煙に消えてしまうわけです。
もちろんタバコを吸う人もそれは分かっています。
でも、分かっていても、なかなかやめられないのです。
強烈な依存性があり、やめる場合にはかなりの苦痛が伴うからです。
これはニコチンの働きによるものであり、「その人の意志の強さ・弱さ」は関係ありません。そもそも「中毒」なのですから、仕方のないことです。
私、シーラカンスも喫煙者でした。禁煙の苦しみはよく分かります。
最初の一週間はひたすら「ニコレットガム」(禁煙補助剤)を噛んでいました。それでも、ものすごくイライラに襲われるのです。
禁煙を始めてから、もう8年近くが経ちます。今ではタバコの臭いを嗅ぐのも苦痛な程のタバコ嫌いになりました。それでも、たまに・・・。
「ああ、うまそうだな・・・」
と思ってしまう自分がいるのです・・・ゾッとします。
きっと、脳の奥深くに
「タバコの依存性」「タバコの快楽」の記憶
が刻み込まれているのでしょう。恐るべき依存性です。
■タバコ業界は寡占状態
ところで、タバコ業界は、4社による寡占の状態であります。
(中国に「中国煙草」というメーカーがありますが、上場していないため株は買えません・・・今回は除外します)
「4大メーカー」とは、以下の4社を指します。
・フィリップモリス(PM):マルボロが有名、アメリカ以外で販売。
・アルトリア(MO):PMから分社、米国内で販売。
・ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI):ラッキーストライクが有名。英国企業。
・日本たばこ産業(JT):旧専売公社、高配当です。
このうち「米国株投資家」が買う場合、日本たばこ産業以外の
・PM(フィリップモリス):$101(約1万3130円)
・MO(アルトリア):$46(約5980円)
・BTI(ブリティッシュアメリカンタバコ):$40(約5200円)
の3社から選ぶことになると思います。
■タバコ代で株を買ったなら
一か月に1万8000円をタバコに使うと仮定して、この金額をそのままタバコ株の購入に充てたらどうなるか、計算してみました。
今回は金額の一番近い(¥13130+¥5200=¥18330)、
・PM(フィリップモリス)
を1株ずつ買うとして考えます。
1年間投資した場合、両社とも12株を手に入れることができます。
もちろん、配当金ももらえます。タバコ株は高配当なのが魅力ですね。
・PM:1株配当$4.49×12株=$53.88
・BTI:1株配当$2.15×12株=$25.80
・合計:$79.68(¥10358)
1年間投資すると、PM株とBTI株という「資産」を12株ずつ手に入れ、さらに$79.68(¥10358)もの配当金が毎年入ってくるようになります。
この配当金は、
・すき家の牛皿定食に換算:17食分
・マックのエグチセットに換算:20食分
に相当します。「株を買って持ち続けるだけ」で、昼食17~20回分を賄うほどの配当を受け取れるのです。
もちろん、「配当再投資」に使うのも良いでしょう。その場合、「複利のチカラ」を味方につけることができます。株が株を生むのです。
・タバコを吸う:年間21万6000円の出費
・タバコ株を買う:株を保有でき、さらに年間¥10358の収入
どっちを選ぶかで、未来は相当に変わってくると思います。
■タバコ会社・・・美味しい商売です
タバコ会社について調べると、「なんて美味しい商売なんだろう」と思います。批判や規制はありながらも、タバコ会社はしぶといものです。
・依存性が強烈であり、顧客は値段が高くても買わざるを得ません。
・「悪魔のサブスク」と言えます。やめるには、苦痛が伴います。
・タバコには重税がかかりますが、「値上げ」で消費者に転嫁できます。
・値下げする必要は一切なく、定価で確実に販売できます。
・国による規制が強く、新規参入がほぼ不可能です。
・国としても税収が欲しいため、本気で潰しにはかかってきません。
・原材料は「紙と葉っぱ」であり、原価が安いです。
・重税を課せられたとしても、ちゃんと利益は出ます。
・設備投資も研究開発も少なくて済みます。その分配当を吐き出せます。
・味を変えたら怒られます。同じものをずっと作っていればいいのです。
・生産ラインと原料を揃えたら、後は経費はあまりかかりません。
・そもそも、大麻や覚せい剤などの「麻薬」を撲滅できていないのに、タバコを撲滅できるわけがないのです。
・少なくとも、私たちが生きている間は安泰でしょう。
このように、投資家目線で考えると、とても美味しい投資先に映ります。
もちろん、健康問題などの訴訟は絶えません。成長も見込めないでしょう。
ただ、それでも私が死ぬまでは会社が傾くことはないと考えます。仮に売り上げが減っても、いくらでも「値上げ」によって客単価を上げることができます。
「吸いたいなら、嫌でも買うしかない」のですから。
日本のタバコ価格は先進国の中で突出して安く、まだまだ値上げできます。
おそらく、1箱1000円くらいまでは値上げできるでしょう。
ちなみに、マルボロが世界一高額な国はオーストラリアです。
1箱で3147円もします。
値上げも出来ますし、商品自体に依存性があります。国としても「潰れては困る」会社です。運転資金もあまりかかりません。非常に美味しい商売です。
そのため、私、シーラカンスはPM(フィリップモリス)とBTI(ブリティッシュアメリカンタバコ)の2社に投資しています。
■喫煙率の低下・・・心配ありません
世界的に喫煙率が低下している・・・と言われますが、私は手を打ってあります。
・もし禁煙しようと思うなら、「ニコレット」を噛むでしょう。これは、JNJ(ジョンソンエンドジョンソン)の製品であり、投資済みです。
・「ニコチネル」を噛む・・・これはGSK(グラクソスミスクライン)の製品であり、投資済みです。
・「チャンピックス」を服用する・・・これはPFE(ファイザー)の製品です。もちろん、投資済みです。
・タバコとお酒はよく合います。「ジョニーウォーカー」や「ギネスビール」で有名なDEO(ディアジオ)にも投資しています。
・禁煙すると、甘いものが無性に恋しくなります。KO(コカ・コーラ)、PEP(ペプシコ)、両方とも保有しています。
政府の健康政策や税制改革、喫煙者からの訴訟などに経営を左右されるリスクがありますから、このように対策は打ってあります。
私の場合、タバコ銘柄は全体の10%程度に抑えるよう、意識しています。
「リスクを理解し、比率を決めて投資する」のは、良い作戦だと思います。手堅く、かつ利回りを向上できるからです。
タバコ銘柄ばかり持つのは良くありませんが、スパイス的にポートフォリオに組み入れる価値はあると思います。