こんにちは、シーラカンスです。
突然ですが、私は「株80%・現金20%」を目標に投資をしています。
定期預金に20万円を貯めてから米国株を始めたため、比率的には80万円分は株を買えることになります。
今回、「そろそろ株の時価が80万円に近付いてきているし、定期預金について考えないと」と思い立ちました。
そこで、定期預金通帳を久しぶりに出し、株の時価とともに確認してみました。
・米国株:$4635($1=145.6円)・・・約67万5000円分
・定期預金:20万円
・合計87万5000円
・比率:米国株77%・定期預金23%
・・・あれ? そろそろ現金を積み増ししないといけませんね。ここまで株の比率が上がっているとは。正直、気が付きませんでした。
今回は、そんな「定期預金」・・・つまり、「キャッシュポジション」について書こうと思います。
■実は「債券ETF」で代替しようかと考えていました
余談ですが、
・「この定期預金、債券ETFでもよくない?」
・「少しでも利息を得たほうが良くない?」
と思ってBNDやAGCなどの総合債券ETFを調べていましたが・・・私には、どうしてもダメでした。
第三者(運用会社)が間に入るのが、どうしても生理的に受け付けないのです。「胴元」に見えてしまって。
いいETFなのは分かっています。経費が安いのも、自分で生債権を買い集めることが出来ないことも分かっています。運用会社がしっかりしていることも分かっています。
ETFで運用されている方には、申し訳なく思います。
でもどうしても、私は「第三者を噛ませない」という主義を曲げられませんでした。
そのため、利息が無いに等しいことを承知のうえで、定期預金で保管することにしました。
自分の信念や主張を押し通せる点もまた、個人投資家のいいところかもしれません。
■「キャッシュポジション」と「生活防衛資金」は違う
「キャッシュポジション」とは、投資に回さずに現預金のまま取っておく資金のことを言います。この場合、ポートフォリオの一部に含めて考えます。
私、シーラカンスの場合は「総資産の20%」(を割らない程度)と決めています。
「定期預金を足す」→「株を買って追いかける」を繰り返す感じです。
似たような言葉に「生活防衛資金」というものがありますが、これは一般的にはポートフォリオに含めず、純粋に
「自分(と家族)の生活を守るためのお金」
のことです。急なケガや病気のときの医療費、失業したときの生活費などなど・・・。投資とは関係なく「自分の危機」に備えるお金ですね。
私の場合は、「キャッシュポジション」は取りますが、「生活防衛資金」は用意していません。その代わり、保有銘柄を手堅いもので固めることでリスクを下げています。
私の場合ですが・・・、
・まだ20代のため病気やケガのリスクも低いこと
・仕事中のケガには労災が、万一の殉職時には労働組合から葬祭費が出ること
・さらに、自分自身が職を転々としていることで失業保険を熟知していること
・「大型免許」などですぐに仕事を得られること
・万が一お金が必要なら定期預金を潰せばいいと考えていること
・それでもダメなら株を売却する覚悟はしていること
・必要十分の医療保険に加入していること
・公的扶助制度をある程度理解していること
など、自分自身の属性でリスク低減が出来ることから、今の形になりました。
「生活防衛資金」は人によって、金額にかなりのバラツキがあります。
「生活費の3か月分」で良いという人もいれば、「いや2年分だ」という人もいます。また私のように「キャッシュポジション」があれば良くない? という人もいます。
こればかりはその人によります。
「自分が安心できる金額」を用意しましょう、としか言えません。ぜひとも、自分に適した金額を用意してから、投資に取り掛かってください。
■「キャッシュポジション」は「敵」ではなく「強い味方」
たまに、「キャッシュを取っておくと『投資効率』が下がる」として、キャッシュポジションを取ることに迷う人がいます。ただ、私は言いたいのです。
・「何と比べて?」
・「誰と比較して?」
・「何を焦っているの?」
・「効率を気にするほど急いでるの?」
・「単純に、全力投資って怖くない?」
・「自分が不死身だと錯覚してない? 自信過剰じゃない?」
・投資期間は「一生」なのに、何を慌ててるの?
私は、そう考えます。
私は、「キャッシュポジション」は「投資効率を下げる敵」ではなく、「安心させてくれる強い味方」だと考えています。
そのため、「恐れず、大胆に現金も取っておこう」と言いたいです。
■「個人投資家の特権」でもあります
「キャッシュのまま置いておくことが許される」
というものがあります。機関投資家で担当資金の半分など放置していれば、即座に担当を外されるでしょう。「働けよ」と・・・。
機関投資家だと、「単年」や「四半期」などの成績が求められますから、資金を遊ばせておくわけにはいきません。そうなると、多少無理をしてでも投資をしなくてはいけなくなります。担当者のクビがかかっていますから、必死です。何とか使い切って結果を出さなければいけません。壮絶なプレッシャーです。
しかし個人投資家は、資金を遊ばせようが、全力で突っ込もうが、自由なのです。
だって自分のお金ですから。
だったら、この特権を生かしたほうが良いと思います。
多少の投資効率の悪さは、時間が味方になり、「複利のチカラでぶん殴る」ことで相殺できます。
「株を買ってそのまま持ち続けて放置」が許される。
これもまた、個人投資家の特権です。プレッシャーとは、無縁でいられます。
■暴落時の「精神の安定」・・・かなり重要です
投資を長く続けていれば、必ず「暴落」はやってきます。
「必ず」です。
この時、自分の保有資産は一気に減ります。選んだ銘柄によっては半減すらもあり得るでしょう。「じゃあ資産クラスを分散すれば?」・・・そう考えたとしても、債券、不動産、リート、貴金属・・・すべてが下がります。
しかし、銀行口座によけておいた「現金」はどうでしょう?
金額は変わっていないはずです。
急に「半額になっちゃった」など、無いはずです。
長期的にはインフレで価値が減価することはありますが、短期的には、金額は不動です。ここに、「現金」、「キャッシュポジション」の価値があるのです。
「株は大損しているけど、現金が多少ある」という安心感は、絶大です。
現金は、定期預金通帳は、「安心をもたらすパスポート」となってくれます。
現金ですから、用途は限りがありません。
一部を使って株を買い漁るも良し、ペースを崩さず、「精神的支柱」としてそのまま置いておくも良し。自分に合った使い方を選べます。
暴落時は、
・「心を乱されないこと」
・「いつも通り生活すること」
・「株を売ってしまわず、耐えてやり過ごすこと」
が大切です。
株は上がるし、下がるものです。最初から分かっていたことです。
備えましょう。
■暴落した株を「札束でぶん殴る」・・・買い漁ることも可能です
さらに勇気を出し、残しておいた「キャッシュポジション」で株の買い増しも出来るかもしれません。
その場合、その後の景気回復であなたの資産は一気に膨らみ、高みへと引き上げてくれるでしょう。その成功体験は一生の宝となります。
一度できれば、今後の人生で何回でも再現できます。「億」すらも可能かもしれません。夢がありますね。
また、キャッシュポジションを持たない人ほど
「あの時現金があったら、もっと買えたのに・・・」
と、数年間、あるいは一生、後悔を引きずるものです。これを避ける狙いもあります。
株価が安く、誰も買おうとしない時に連続増配株を買って持ち続けることが出来れば、「夢のような配当利回り」と「大きな含み益」を得ることができます。
これこそ、暴落時に買い向かえた人のご褒美ですね。
投資の神様で知られる「ウォーレン・バフェット氏」がこの方法(暴落したら買い漁る)で大富豪になったことは、あまりにも有名です。
もしも勇気が出ず、株を買うのをやめてしまったとしても、「狼狽売り」せずに暴落をやり過ごせさえすれば、大損は避けられます。それだけでも価値があります。
また、その間にも配当金は入り続けます。株価もいつかは回復します。
狼狽売りしない限り、少しずつ損失は癒えていきます。
「キャッシュポジション」は、そのための安心材料として役立つのです。
■「選択肢」があること、心の平穏を保てること
もし自分が全力投資をしていて暴落していた場合、取れる方法は
・耐える(精神を病みそう)
・売り払う(大損確定)
・少しずつ買う(買うごとに損が拡大していく)
・・・くらいしかありませんが、現金を取っておくことで多彩な作戦を練ることができます。何よりも「安眠を得られる」、「暴落でも安心していられる」のが良いですね。
ともすれば「効率が悪い」「お金を遊ばせてるだけ」と言われがちな「キャッシュポジション」ですが、心穏やかに投資が続けられるため、ぜひとも多少用意しておくことをおすすめします。
その比率は人それぞれですが、よく言われるのが
「年齢と同じくらいの割合」
というものです。(現金の代わりに債券でもいいとする意見もあります)
・20代の投資家なら現金20%
・40代の投資家なら現金40%
ただ私としては、「安心して眠っていられるか?」を基準にすると良いと思います。
基準は「自分」です。自分が安心できるかが重要です。
健康を保ちながら、長期投資をしていきたいですね。