「自分の専門分野に投資」・・・本当に大丈夫?

 こんにちは、シーラカンスです。

 

 投資の世界ではよく、「自分のよく知っている業界に投資を」、「自分の仕事での知識を生かし、同じ業種に投資を」と言われます。

 

 ただ、私の場合は、それをやってしまうとリスクが過大になってしまうな・・・と感じます。

本当にいいの!? 出典:いらすとや様

 

 今回は、「投資先と自分の専門分野」、「ナンバーワンを選んでおけばよくない?」についてです。

 

■私の場合・・・景気循環の影響を大きく受ける仕事です

 

 私の仕事はトラックの運転手です。

読者さんにはお馴染みでしょうが・・・。 出典:いらすとや様

 

 積み荷の量や種類・運賃・労働時間は、荷主さんがどのような会社かによって大きく左右されます。

同じ会社で、食品を運ぶ人もいます 出典:いらすとや様

 

 運ぶものが違えば、同じ運送会社でも、仕事の雰囲気や給料は大きく違います。

 

 まるで違う会社かのようです。

 

 私の場合、自動車部品の定期便の仕事を担当しています。

 

 毎日、同じ部品工場を回って集荷し、物流センター(ターミナル)まで運ぶ「定期便」という仕事です。

 

 多分、結構似たような仕事をしている運転手さん、多いんじゃないかと思います。

自動車部品輸送のイメージ 出典:日豊高速運輸様

 

 国内に10社ある自動車メーカーのどこかは言えませんが、「自動車メーカー」という大企業からの仕事ですので、給料はそんなに良い訳じゃないものの悪くもなく、安定はしています。

 

 余談ですが、「長距離運転手をしていたけどもう疲れ果てた」、「毎日家に帰りたい」と願う運転手さん、「腰を壊してしまった」「持病があって定期的に休みを取りたい」という運転手さんに、とてもおすすめの仕事です。

 

 また毎日同じ工場を回りますから、未経験の人も覚えやすいと思います。

 

 ただ、私は自動車会社や部品メーカー・運送会社に投資するつもりは、一切ありません。

 

 「私が米国株専門だから」ではなく、「不況のときに困るから」です。

 

■「不況になったらどうなる?」を想像してみよう

 私のように、自動車関係の仕事をしている人が、自動車関連の株を持った状態で不況になった場合・・・。

 

 「仕事が減って給料が減る(それ以前に雇用の危機)」と、

 

 「株が大暴落する」(半減もあり得ます)

 

 のダブルパンチを喰らうことになります。

全てを失った投資家の例 出典:NHK

 

 「自動車」は景気循環にモロに左右されるからです。

 

 (例を挙げると・・・。

 

 リーマンショックの時、いすゞ自動車の株価は

・2007年7月:1414円

・2009年2月:194円

 と7分の1にまで下落しました。他社も株価が半減することはザラにありました。)

 

 私の仕事の荷主さんは自動車メーカーですから、私も大きく影響を受けます。

 

 「減産」「生産調整」があれば、運ぶものがなく、私は自宅待機になるでしょう。

 

 当然、給料は大幅にダウンします。

 

 また、人員整理で解雇される可能性もあるでしょう。

可能性はあります 出典:いらすとや様



 そんな状態で、暴落した自動車関係の株を買い増せるでしょうか? 

 

 投資先企業が倒産するかもしれないのに。自分の雇用も危ないのに。

投資先、勤め先、どちらにも倒産の危険が・・・
 出典:いらすとや様

 

 自分の資産がどんどん溶けているのに。

 

 そもそも買い増ししようにも、お金が無いのに。

 

 特に日本株は100株単位ですから、一度に数万円~十数万円は必要になります。正直、そんなにホイホイ用意できる金額ではありません。

 

 ましてや仕事で自動車部品を運ぶわけですから、

「うわ、荷物少ないなー。・・・車、売れてないんだろうな」

と嫌でも実感するわけです。

 

 自分の資産の大暴落、薄い薄ーい仕事量、下がる給料、解雇されるベテランたち・・・。

 

 私は、精神的に耐えられる自信がありません。

 

 そこまで精神太くない・・・。

 

 自分の仕事が不況でどうなるかを考え、ポートフォリオの業種分散を考えることが重要です。

 

 特に私のように景気に左右される業種の仕事に就いている場合、同じ・近い業種に投資するのはリスクが高いかもしれません。

 

 逆に、同じ「トラック運転手」であっても、

 

・「ラーメンを運んでいる運転手が食品会社の株を買う」

・「小麦を運んでいる運転手が製粉会社の株を買う」

・「薬を配送している運転手が製薬会社の株を買う」

 

 というように「景気にあまり左右されない企業」を選んで投資していた場合、暴落による被害は少なくなります。仕事も安定してあるでしょうから、雇用や給料の不安もそれほど大きくありません。

 

 食品や製薬などは、人が生きている限り、どうしても必要な業種だからです。

 

 また、「自分の仕事」(トラック運転手:自動車・物流系)と投資先企業(食品、製薬などディフェンシブ系)が分散できており、リスク分散という点でも理にかなっています。

自分の仕事もポートフォリオの一部 出典:いらすとや様

 

・「自分の仕事も含めて考えて、ポートフォリオをデザインすること」

・「自分の仕事が景気に左右される業種の場合、同じ・近い業種は投資を避ける」 

 

 この2点について考えることを、私、シーラカンスはおすすめします。

 

■「専門分野を生かして銘柄選定」・・・?

 また、もう一つ気になる点があります。

 

 「自分の仕事上の知識や感触を生かして」選ぶ銘柄って・・・?

 

 要するに、「一般にはあまり知られていない」ってことですよね?

「無名のアイドル」みたいなもの 出典:いらすとや様

 「『いい』と思ってるの、自分だけなんじゃない・・・?」

 

 「認知度が低いなら、株価、上がらなくない・・・?」

 

 「有名じゃないって、所詮、『その程度』の会社じゃない・・・?」

 

 「株価が上がるのを待つのって、ギャンブルや運試しと同じじゃない・・・?」

 

 と、私は思ってしまうのです。

 

 それって、長期投資に値するのでしょうか?

 

 数か月から数年で、ある程度利益が乗ったら売る、なら良いと思いますが・・・。

 

 でもそれだったら、「不況のときに大企業の株を買って放置して、数年したら売り払う」でも「資産が増える」という結果は同じですし、安定性も高いと思うのです。日本株の場合、それこそ、

 

トヨタ自動車

日本電信電話

日本たばこ産業

KDDI

日清食品

 

 などの「業界最大手」を買って放置すれば良くない?と思います。

 

 特にトヨタ自動車などの自動車・機械系の会社は、経済危機が起きると株価が半値近くまで落ちます。

 

 小さい会社を「専門分野だから」と買うよりも、「大手企業の暴落」を狙ったほうが、まだ安全ですし、現実的だと思うのです。

 

■「日本の大企業」って、意外と小さいよ・・・?

 ただ、そうは言うものの・・・。私は、その手法は怖くてできません。

 

 私は「日本企業」を一切信用していません。

 

 企業の規模が小さすぎて、安心できないのです。不正も多すぎます。

 

 株主軽視も甚だしく、派閥争い、不祥事も多く、途上国とどっこいどっこいの会社ばかりだと感じています。

 

 「会社が誰のものか」

 

 という基本ルールを、いい歳した大人が理解していないことがよく分かります。

 

 ぜひともyoutubeあたりで「しくじり企業」、「企業犯罪」、「三菱ふそうリコール隠し」「雪印事件」などと検索して見てみて下さい。「ひどいなー」と思う一方、「案外、どの会社でも起こり得るかも」と思うでしょうから。

 

 下に、私がよく見ている「しくじり企業」の動画リンクを張っておきます。なお、私とチャンネル主さんは一切関係ありません。ただのファンです。

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 それでも、個々を見れば、素晴らしい会社はあるでしょう。しかし、世界的に見れば、「日本の大企業」は規模が小さいのです。

 

 あの「トヨタ自動車」ですら、時価総額ランキングでは世界31位でしかないのです。

 

 世界ランキングトップ50に、日本企業は1社しかランクイン出来ていないのです。

 

 これが日本企業の競争力(笑)の実態です。

時価総額 世界ランキング 出典:STARTUP DB様

 

■「株主を舐めている」会社・市場に投資したくない

 関連企業を含めて、150万人もの雇用を生み出す、あれほどの大企業ですら、世界では31位でしかない・・・。

 

 ましてや、さらに小さい会社に投資なんて・・・。

 

 私にとっては、

 

・「中小企業のくせに大企業ぶって威張っている、恥ずかしい会社たち」

・「極東の変態島国の中小企業」

・「変化を全力で嫌がるガラパゴス企業」

・「社内政治と忖度に明け暮れ、周りが見えていない井の中の蛙

・「真面目系クズ」

 

 としか見えないのです。

 

 株主になってくれた人に、配当や株価上昇で報いようという意欲をまるで感じ取れません。ぬるい。ぬるすぎる。だったら上場しなければいいのに。

 

 たまにチョロっと増配したと思ったら、ちょっとの不況で容赦なく減配してきます。配当金をただの「コスト」としか考えていない証拠です。

「コスト」だから削ってくるのでしょう 出典:いらすとや様

 

 ちなみに、連続増配を25年以上(=配当貴族)実行しているのは、全上場企業3846社(2022年10月現在)のうち、花王ただ1社のみです。また、20年~24年増配の企業も11社のみです。

 

 合計12社。あまりにも少ない。なんて未成熟な株式市場なんでしょう。

 

 投資家の一人として、

 

 「株主を舐めてる」 

 

 と感じるので、私は外国企業にだけ投資します。

「投資しない」というのも意思表示のひとつ 
出典:いらすとや様

 

■「みんなが知ってるナンバーワン」で良いと思う

 

 私の場合、自分が

 

「他を出し抜いて、良い銘柄を発掘できる」

 

 なんて傲慢なことを考えないように意識しています。

 

 (それが出来てたら今頃、敏腕マネージャーとして証券会社にいます・・・。)

 

 そのため、私のポートフォリオ

 

「米国・英国株の、しかも配当貴族銘柄」

 

 で占められているのです。

 

 世界中の人々が知っている会社だけを選び、投資しています。

 

 世界中の人々が知っている企業ということは、それだけ巨大な企業ということです。

 

 それほどの会社であれば、倒産することもそうそうないでしょう。

 

 やはり、「世界一」や「世界ベスト3」という会社は強いです。

「定番」のブランド力と財務基盤は強い 出典:いらすとや様

 

 

 また私、シーラカンスは、食品・飲料・製薬などの会社を好みます。

 

・「不況のときでも売り上げが立つ」

・世界中、どこの国でも製品を持って行って商売ができる

(逆に電力・ガス・水道・鉄道は避けます・・・逃げられない、持ち運べないから)

・「配当もしっかり出て安心だろう」

 

 というのが理由です。

 

 そんな手堅い会社でポートフォリオを固めていれば、不況時にもダメージは少ないでしょう。

不況になっても安心・・・出典:いらすとや様

 

 また、私が選んだ銘柄の場合、高くても一株3万円、安い株であれば5000~6000円くらいから買えます。

 

 また、日本株とは違い、米国株は1株単位で買うことができます。

 

 不況下で給料が下がっても、買い増ししやすいのが良いですね。

 

 大金持ち、「億り人」にはなれないでしょうが、精神的な安定は得られます。

 

 投資は一生続きますから、「精神的な安定」は馬鹿には出来ません。

たかが「投資」に心を乱されないように・・・
出典:いらすとや様



 自分の健康、自分の人生に影響するからです。

 

 そのため、手堅い会社ばかりを選んでいるのです。

 

 私のように、景気に大きく左右されるような仕事をしている人の場合は、ぜひとも

 

 「ちょっと手堅すぎない?」

 

 「退屈で、銘柄に面白味がないなぁ・・・」

 

 くらいのポートフォリオを組み立てることを、おすすめします。