株券をかき集めること、惑わされないこと

 こんにちは、シーラカンスです。

 

 株式投資と言えば、ついつい「株価」に注目しがちです。

 

 短期売買の場合は一番重要なことですが、長期投資では「株価」よりも気にしなくてはならないことがあります。

 

 「株数」です。

 

 今回は株数を増やしていきたい・・・というお話です。

 

■株をかき集める意識で

 長期投資の場合、よっぽどのことがない限り、株は手放しません。

 

 株を持っていれば持っているほど、受け取れる配当金は増えるからです。

 

 長期投資家の場合、この配当に手を付けず、さらなる株の買い増しに使います。

 

 これを

 

 「配当再投資」

 

 といい、株数と配当金がどんどん膨らんでいくことを

 

 「複利のチカラ」 

 

 と言います。

 

 

 配当金は「1株当たり配当金×持ち株数」というシンプルな式で計算されます。

 

 つまり、株をたくさん持っているほど、美味しい思いができます。

 

 逆から言えば、

 

 「株を持っていなければ、配当金をもらう権利など無い」

 

 ということです。

 

 株価がもし下がったとしても、それは「その日に売ったらその価格」というだけのことであり、売りさえしなければ損失は確定しません。「含み損」はあくまでも「損した気になっているだけ」・・・つまり気分の問題です。

 

 また、現物取引に徹していれば、株価の下限は「0円」であり、借金まで負うことはありません。

 

 仮に倒産してしまっても株券が紙くずになるだけで、それ以上の責任は負いません。

 

 一方で、上限はなく、「青天井」であります。

 

 長期投資に適した株は手堅い会社ばかりであるため、5倍や10倍に膨れ上がることはないでしょうが、もしかしたら1.5倍とか2倍くらいには株価が成長するかもしれません。配当金と含み益・・・ダブルで美味しい思いができます。

 

 そのため私は、「株価より株数を気にする」ことをおすすめします。

 

■こんな美味しい権利、手放したくない

 優良企業の株を買うと、配当金がもらえます。特に米国企業の場合は「増配」という素敵な制度があります。コカ・コーラなどが有名ですね。

 

 株を買うと「配当金」がもらえますが、この原資は投資先企業の利益です。

 

 つまり株というのは「権利」なのです。

 

 出資したから株券を手にする。

 

 出資したから利益の一部を配当金として受け取る・・・。

 

 配当金は会社によりますが、年に1回~4回出ます。その間、自分自身は何もしなくていいのです。投資先企業の優秀な社員さん達が代わりに働いて、売り上げを伸ばし、利益を上げてくれます。ただただ、「株を持ち続ける」だけでいいのです。

 

 こんな美味しい権利がありますか。

 

 絶対に手放したくありません。

 

 だから私は株を売りたくありません。

 

■株価が下がったら喜ぶのが長期投資家

 買い集めているのが優良企業であり、分散もできているならば・・・。

 

 株価下落は敵ではありません。むしろ大チャンスです。

 

 そもそも売る気がなく、買うだけですから、株価なんてどうでもよくないですか?

 

 「気にして何になるの?」「気にしたら株価上がるんか?」 と思います。

 

 「株数」を増やしたいのだから、株価はあまり気になりません。

 

 下がってくれれば買いやすくなって、ありがたいくらいです。

 

 だっていっぱい買えますから。特売やん。

 

 「株価が下がったら、売るのではなく、買う」

 

 ・・・こんなにシンプルなことですが、多くの人はやりたがりません。

 

 なんだかんだ理由をつけて、売りたがる。だったら最初から買うなや・・・。

 

 高い時に買い、安い時に売り払ってたら、永遠に利益など得られないのに。

 

 人がやらないことにこそ、旨味があるのに。

 

 人と逆のことをするから、利益が得られるのに。

 

■自分の感覚と、投資との距離感

 

 私は、他の投資家から見たら「変態」なのかもしれません。

 

 「浅い考えで投資してる」と言われても、仕方ないでしょう。

 

 実際、「世界一なら大丈夫だろ」「髭剃りやコーラ、薬は無くなることはないだろ」くらいの考えで投資していますし。

 

 実は、赤字か黒字か、配当はどれくらいか・・・等は確認しますが、財務諸表までは見ていません。そもそも粉飾決算とかでごまかしている場合もありますし。

 

 私は「事業がずっと続いていくか」「その事業で稼げるか」「牙城が崩されることはないか&対策しているか」などの「事業そのもの」のほうが重要だと思っています。

 

 下手に自分で分析しなくとも、私より優秀なブロガーさんたちが解説してくれていますし、それをやったところで儲けが増えるわけでもないですから。

 

 そもそも、私ができる程度の「浅い」分析など、他の人が既にやっているでしょう。

 

 堅実に事業を続けて黒字を出し、配当を出してさえくれれば、私は満足なのです。

 

 「まあ、いい感じに経営してくれるでしょ」

 

 「1社くらいつぶれても、残り15社でカバーできるし」

 

 「各社の社長さんたちは、私よりは頭いいんだし大丈夫でしょ」

 

 「仮にアホが経営したとしても、つぶれないような会社ばかりだし」

 

 と、割と突き放した距離感で投資に取り組んでいます。

 

 それでも、自分の身の回り・実生活から出した結論ですから、確信があります。

 

 私は、自分の中の経済感覚を信じています。

 

 他者の怪しげな「予想」「予測」「憶測」に頼るより、よほど堅実でしょう。

 

 私の場合、景気も、FRBや日銀も、政府の動向も一切気にしません。

 

 他者や国に惑わされるようなポートフォリオなど、組んでいないから。

 

 それほど、どっしりと大きく構えていられるのは、「大儲け」を捨てて「安定性」を取っているからです。「たかが」投資で精神を乱されたくないのです。

 

 「投資」が私の人生のすべてではないですから。

 

 「売買益で大儲け」ではなく、「優良企業の甘い汁をチューチュー吸って生きていきたい」という、ある意味下品というか、堕落した、「意識低い系」の投資です。

 

 正直、「それって投資家としてどうなの?」「リスクを取ろうという覇気がない」と自分でも思いますが・・・。これが私のやり方です。変えるつもりなどありません。

 

 また、個別株投資は、「私と投資先企業」の2者の話です。

 

 いい会社を買って分散を徹底していれば、景気が悪かろうが、政府がアホだろうが、増税されようが、原材料が高騰しようが、配当金は入り続けます。

 

 今日も明日もあさっても、事業は続きますし、工場は動き続けます。

 

 「いいものが安くなってたら買う」

 

 日々の買い物と同じことです。

 

 洗濯洗剤を買うように、洗濯洗剤の会社(PGやUL)を買うのです。

 

 ガソリンが安かったら喜ぶように、石油会社の株(XOM)を買うのです。

 

 コカ・コーラ500mlが特売だったら買うように、飲料株(KOやPEP)を買うのです。

 

 「ピーマン特売」も、「豚こま88円」も、「株価急落」も同じように嬉しいのです。

 

 変な業績予想に惑わされず、自分の堅実な経済感覚を、肌感覚を信じるのです。

 

■普段の買い方は?・・・「ドルコスト平均法」を

 私の場合、毎月の給料から株を買っています。私の収入源は給料のみ(配当もあるものの、まだ微々たるものです)であり、ある意味自動的に「時間の分散」が成立しています。

 

 またそのときに買うのは、「自分が一番持っていない株」(ポートフォリオ内で一番比率が少ない株)です。米国株投資で有名な「バフェット太郎」さんの手法、「バフェット10種」をアレンジして取り入れています。

 

 変に予想しない。変にペースを変えない・・・。

 

 ただただ毎月、買うのみです。途中でやめないことです。

 

 毎月買っていれば、「平均取得単価」は極端に高くも安くもない、ほどほどの金額に落ち着いていきます。

 

 たとえ高値掴みしてしまっても、暴落時・景気低迷期の買い足しにより、相殺されていきますから心配ありません。逆に株価が上がる時期では「安く買えた株がある」という安心感と、「含み益」の両方を楽しめます。

 

 どっちに転んでも、配当金はもらえます。心の支えになりますね。

 

 残念ながら、相場は自分の都合に合わせてなどくれません。

 

 こっちが合わせるしかないのです。

 

 手堅い株を毎月積み立てるように買っていけば、そして「暴落」に惑わされず投資を貫けば、少なくとも「大損」にはならないはずです。また、保有年数が長ければ長いほど、配当によって投資資金を回収できるため、年々勝ちやすくなっていきます。

 

■「派手」よりも「堅実」を武器に生き残ろう

 勢いのある、派手な投資家たちの大半は、暴落で消えていきます。

 

 「うらやましいなー・・・」とは思うものの、いつかは消えていく人たちです。

 

 爆益、派手なトレードルーム、派手な生活・・・。心が動くのは、事実です。

 

 ただ、憧れるのはいいですが、真似しようと思わないことです。

 

 私は彼にはなれないし、彼は私にはなれません。

 

 よそはよそ、うちはうち。人には人の乳酸菌。

 

 投資家として一番恐ろしいのは「退場」することです。

 

 精神を病んだり、投資資金をすべて失い、借金だけが残ったり・・・。

 

 投資が出来なくなってしまうことは、投資家としての「死」を意味します。

 

 だから暴落をくぐり抜けて投資をし続けることを「生き残る」と表現されるのです。

 

 「退場」さえ食らわなければ、生き残って投資を続けられます。

 

 現物で、自己資金で、手堅い株を、淡々と集める・・・。惑わされない。

 

 地味ですし、大富豪にはなれませんが、再現性は一番ではないでしょうか?